TikTokは音楽と動画の融合で人気を集めるSNSですが、他人の音源を無断で使うと著作権の問題に発展する可能性があります。
特に、バズっている曲や有名アーティストの音楽は魅力的ですが、利用方法を誤ると動画削除やアカウント停止、場合によっては法的措置を受けることもあります。
そこで本記事では、TikTokで安全に音源を利用するための著作権ルールや利用規約、そして違法とセーフの境界線をわかりやすく解説します。
このページでわかること
- TikTokにおける公式音源と外部音源の違いとその扱い方
- 著作権法と利用規約の関係から見た安全な利用ルール
- 違法リスクとセーフラインを判断するポイント
- 安全に使える音源の探し方と利用方法
- 著作権トラブル発生時の適切な対応手順
TIkTokの著作権違反とは

TikTokを使ってる時に気をつけないといけないのが、著作権違反です。
まず、作った人に許可を取らずに、その人の作品を勝手に使っちゃうことで問題になります。例えば、許可なしで載せたり、そっくりそのまま真似したりするのはダメです。
次に、原作をもとに新しい作品を作る時も注意が必要です。小説を漫画にしたり、漫画をアニメにしたりする時は、必ず原作者の了解を得なきゃいけません。実は、新しく作り変えた作品を使う時は、その作品の権利を持つ人だけじゃなくて、元の作品の権利を持つ人の許可も必要になります。
著作権違反は犯罪
もし著作権違反をしてしまったら、どうなるんでしょうか。実は、著作権違反は「犯罪」です。罰則もかなり重いです。
【罰則の内容】
- 個人の場合
-
最高で10年以下の懲役か1,000万円以下の罰金、もしくはその両方が科せられることがあります。これは著作権法の第119条1項に書いてあります。
- 法人の場合
-
3億円以下の罰金が科せられる可能性があります。これは同じ法律の第124条1項に書かれています。
さらに厄介なのが、権利を持っている人から損害賠償を請求されたら、すごい額のお金を払わなきゃいけなくなるかもしれないことです。

公式音源と外部音源の違い
結論から言うと、公式音源はアプリ内での利用に限って一定の範囲で使える設計、外部音源は自前で許諾を取らない限り使えない設計です。この違いを理解していないと、思わぬ違反につながります。
種類 | 利用条件 | 商用利用 | リスク |
---|---|---|---|
公式音源(アプリ内ライブラリ) | アプリ内での使用について権利処理済み。用途・地域・期間に制限あり | 多くは不可。商用の場合は別途許諾が必要 | 条件外での使用は削除や利用停止 |
外部音源(端末から取り込み) | 原則として全権利者の許可が必要 | 許可を得れば可能 | 無断使用は法的措置や損害賠償 |
実務上は、公式音源でも企業アカウントや広告配信は対象外とされることがあります。また、同じ曲名でも非公式版が混ざるため、表示上の見た目に惑わされず、出どころと条件を確認する習慣が重要です。
利用規約と日本の著作権法の関係
利用規約はサービスを使ううえでの約束事で、違反するとアカウント停止や削除などの措置を受けます。一方、著作権法は法律で、規約の外でも権利侵害があれば法的責任を問われます。つまり、両方を順守しなければなりません。
- 複製・公衆送信・翻案の権利
↳音楽を動画にのせる、編集して使う行為はこれらの権利に触れやすい - 私的使用の誤解
↳SNS投稿は不特定多数への送信に当たり、私的使用の例外に収まらない - 引用の条件
↳音源を引用として使うには厳格な条件が必要。BGM目的は原則不可
たとえ規約が許す範囲でも、同期権や原盤権など別の権利が関与すれば侵害になることがあります。歌詞表示やカバー、リミックスは著作物の改変に該当する場合もあるため、事前確認が不可欠です。
商用利用時の注意点
商用利用は企業アカウントの運用に限らず、商品宣伝、アフィリエイト、広告配信、店舗紹介、イベント告知など収益目的の投稿全般を含みます。この領域では、公式音源であっても別途ライセンスが必要なケースが多くあります。
確認項目 | 内容 |
---|---|
用途の定義 | ブランド訴求やPRは商用扱いになりやすい |
権利の種類 | 同期(シンク)権と原盤権の両方が必要 |
利用範囲 | 地域(日本のみ/海外)や媒体(TikTokのみ/他媒体含む)で条件が変動 |
クレジット義務 | ロイヤリティフリー音源は表記が条件の場合あり |
偶発的収録 | 店舗やイベント会場で流れる曲も権利対象になることがある |
安全に進めるには、①目的の整理、②音源の出所と条件確認、③必要な権利者の洗い出し、④使用範囲・期間の確定、⑤許可証明の保管という手順を踏むのが確実です。ロイヤリティフリーやCC0でも、商標や人格権など別の制約が付く場合があるため、配布元の条項は必ず確認しましょう。
TIkTokで著作権違反になりそうな事例

実際にTikTokで著作権違反になりそうな具体的な例を3つ挙げてみましょう。
CDやカラオケの音源をそのまま使うケース
これ、意外と気をつけないといけません。
JASRACと契約してる曲でも、CDに録音された音そのものには「原盤権」という別の権利があります。そのため、TikTokが提供してる音楽と同じ曲でも、CDの音をそのまま使うとダメです。
原盤権:レコード製作者の権利
出典:CAC
JASRACが管理してない音楽を使用するケース
JASRACとは、音楽の著作権を管理してる団体です。作詞家さんや作曲家さん、音楽出版社なんかから頼まれて、音楽の著作権を管理しています。
TikTokは、このJASRACと手を組んでるから、TikTokアプリの中で「楽曲を選ぶ」ってところにある曲は、だいたい自由に使えます。
でも、中にはJASRACが管理してない曲もあって、そういうのを使うと著作権違反になっちゃうかもしれません。
アニメやドラマ、映画の一部を切り取るケース
TikTokはJASRACと組んでるから音楽は使えるんですけど、アニメとかドラマ、映画はJASRACじゃなくて別のところが権利を持ってるんです。だから、勝手に使うと著作権違反になっちゃいます。
これらを使いたい時は、ちゃんと作った人や会社に許可を取らないといけません。
上記のように、ちょっとした油断で著作権違反になっちゃうことがあります。TikTokで動画を作る時は、使う素材にも気をつけましょう。

TIkTokで著作権違反するとどうなるか
TikTokで著作権侵害をすると、どんなことが起こるかご紹介します。
動画削除
著作権を持ってる人が「これ、私の作品を無断で使ってる」ってTikTokに報告された場合、TikTokがチェックして、本当にそうだと分かったら、その動画を削除対応します。
せっかく作った動画が見られなくなるだけじゃなく、フォロワーの人たちとのやりとりもできなくなっちゃうかもしれません。
さらに、著作権をもっていなくても、報告するユーザーが多くいるため、著作権者にばれなくても動画削除となるケースも多々あります。
シャドウバン
シャドウバンについてご存知でしょうか。シャドウバンされると、一切おすすめなどに掲載されなくなります。
著作権侵害を何回もすると、こうなっちゃうかもしれません。そうなると、せっかく投稿しても、ほとんど誰にも見てもらえなくなります。
アカウント凍結
もっとひどいケースだと、アカウントが凍結されることもあります。 これは本当に大変です。新しい動画を投稿したり、今ある動画を編集したり、他の人とコメントしたりすることが全部できなくなります。
最悪の場合、著作権を持ってる人から訴えられちゃうかもしれません。 著作権侵害は法律違反です。そのため、著作権を持ってる人が怒って、損害賠償を請求したり、裁判を起こしたりする可能性もあります。
まとめ|TikTokで音源を安全に使うために知っておくべきこと
この記事では、TikTokで音源を利用する際に押さえるべき基本ルールと著作権、利用規約との関係、違法リスクの見極め方、安全に使える音源の探し方、そしてトラブル発生時の対応方法までを整理しました。
特に重要なのは、「アプリ内の公式音源=無条件に自由利用できる」という誤解を避けることです。公式音源でも用途や地域、商用可否に制限があり、外部音源は権利者の許諾がなければ使えません。また、規約だけでなく著作権法や関連する権利にも目を向ける必要があります。
実践する際は、音源の出所と条件を必ず確認し、商用利用や広告配信の場合はライセンス取得を優先しましょう。万一トラブルが発生した場合も、迅速に削除・謝罪・交渉を行うことで深刻化を防げます。
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